リオとルイの童話の小部屋

To love nature is to love peace.

　　　　　　　　　ママに読んでほしい童話　　　　　　　　　　　　　　

yoshifuji masaki メール

アジアの貧しい少年の物語　　　　 ゴミ山の夢

クジラがアザラシを助けた本当の話から作られた童話　　　クジラの恩返し

自然を大切にする心を育む事を主題に書かれた童話　　　　　　環境童話

五万年に一度開かれる動物達の地球会議　　　　　　　　　　　　　火の鳥の宿題

南の島で出会った少年ポポロとクジラの物語　　　　　　　　　クジラと少年

この童話は数年前、幼児の兄弟がアパートで餓死した本当にあったあってはならない悲しい話をモチーフに書いてあります。幼い子供の兄は小さな妹の為に食べ物を探し、妹を助けようとした後があったそうです。私は立派な幼児の兄の鎮魂を願い書きました。

　　　　　　　ママ、ぼくがんばったよ　　　　　　　　　　　　　よしふじ　まさき

　「ルイくん、ママはおしごとだから、リオのおせわをしてね。それから、あぶないから、家から、ぜったいに出ないのよ。わかった」

　「うん、ママわかった、行ってらっしゃい」

　ギギギギ、ギーバタン！ガチャガチャン

　鉄のドアがしまり、カギがかかりました。

　ママの足音が、遠ざかっていきます。

　ルイは、六才になつたばかりの男の子で、妹のリオは二才です。

　時計のはりが、夜の七時になりました。

　ルイは、テレビのチャンネルをリオの好きなマンガに変え、冷蔵庫からグラタンを出して、レンジであたためました

　「リオ、ごはんができたよ」

　「うん、おにいちゃん」

　リオが小さなテーブルにすわると、ルイは、コップにミルクを入れてあげました。

　二人は仲良くならんで、テレビを見ながら、グラタンをたべました。

　時計のはりが、夜の十時になりました。

　ルイは、テレビを消し、電灯の明かりを消して、スタンドの明かりをつけました。

　「リオねるよ。おしっこしよう」

　「うん、おにいちゃん」

　二人は、同じふとんで一緒に寝ます。

　リオは、ルイが頭をやさしくなでてあげると、親指をチュウチュウすいながら、片方の手でルイの手を握ってねました

　外から、にぎやかな、車の音や、人の声が聞こえてきます。

　カーテンの外も、明るく光っています。

　朝がきたようです。

　でも、いつも、ママがねているところには、だれもいません。

　ルイがおきると、リオもおきました。

　リオは、ママがいないことに気付きました。

　「お兄ちゃん、ママはどこ？」

　ルイは、ときどきママがおそくなることを知っていました。

　「うん、ママまだだね。でも、だいじょうぶ。リオ、ごはんたべよ」

ルイは、パンをやくと、リオの好きなイチゴジャムをつけて、二人でたべました。

　外が暗くなり、夜の七時になりました。

　夜のごはんですが、もうグラタンはないので、ルイは、パンをやいて二人でたべました。

　「お兄ちゃん、ママは、かえらないの？もう、うん、うん、ねえママは・・・・」

　リオが、シクシクとなきはじめました。

　「ん、わかんない、でも、もうすぐだからね、もうすぐだよ、リオ」

　ルイもなきそうでしたが、お兄ちゃんだからなきません。

　また朝がやってきました。

　ママは、いませんでした。

　ルイは、朝ごはんにパンをやきましたが、もうこれで、パンはなくなりました。

　ミルクも、コップに入れると、なくなりました。

　そして、昼になりましたが、食べるものがありません。

　ママとのやくそくで、外には行けません。

　（どうしよう・・・リオにあげるごはんがない。あっ、そうだ、おかしがある）

　ルイは、いすにあがって、とだなの上にある、おかしを取り出しました。

　二人はおかしを仲良く分けて食べました。

　ミルクも無いので、水をのみました。

　「おにいちゃん、おなかがすいた」

　「ごめんね、もう、なにもないよ」

　ルイは、リオに絵本を読んであげました。

　字はよめませんが、何が書いてあるかはおぼえておました。

　あれから何日たったのでしうか、

　お家の中に、食べ物は、何もありません。

　「リオ、リオ、おきて、水をのんで」

　ルイが、いくらよんでもリオはおきません。

　リオは、親指をくわえて、幸せそうにねむっています。

　ルイは、そーっとしておくことにしました。　夜になり、ルイは、ねたままのリオの横にいき、いつものように、一緒にねました。

　「おやすみ、リオ」

　「・・・・・・」

　でも、リオは返事をしませんでした。

　ルイは、ゆめを見ていました。

　ママと、リオと、ゆうえんちで楽しくあそんでいました。

　ガチャガチャ、ギー

　大きな音で、目をさましました。

　ドアがひらき、そこには、おばあちゃんが、

　「ルイ！リオ！ああ、なんてことなの！」

　ママは、交通事故にあい、長い間ねむったままでしたが、やっと目がさめ、おばあちゃんに知らせることができたのでした。

　それから、ルイもリオも病院にいき、元気になり、今は、ママと幸せにくらしています。