　ある日のことです。
宇宙で一番えらい、天の神様のところへ、森のクマさんから
手紙がとどきました。
　「近ごろ、地球の天気がおかしくて、森の動物たちがこまっ
　ています。どうか、たすけてください」
　「それは、たいへんだ。調べてあげよう」

さっそく、天の神様は、地球にいって、神様たちから、どうして
天気がおかしいのか、聞くことにしました。

　「海の神。近ごろ、なにかおかしなことがあったかな？」
　「はい。人間たちが、海にゴミをすてたり、汚れた水を流すの
　で、ガスがたまって、おならがたくさん出て、こまっています」
海の神が、「プップッ、プププー！」
と、おならをすると、
　「ヒューヒュー、ゴゴゴー！」
海には、大風がふいて、たつまきが、あっちこっちにあらわれ
おおあらし、になります。

　「ふーむ、それで天気おかしいのだな。空の神はどうかな？」
　「はい。人間たちが、けむりをたくさん出すので、けむたくて、
　なみだがでて、こまっています」
空の神が、「シクシク、エーンエーン」
と、なみだをながすと、
　「ザーザー、ザザザ、ザザザザー」
空からは、雨がどんどんふってきて、大こうずいになります。

　「ふーむ、なるほど。山の神はどうかな？」
　「はい。人間たちが、わたしの服にしている木を、どんどん切っ
　てしまうので、さむくて、くしゃみがでて、こまっています」
山の神が、「ハ、ハ、ハッ、ハークション！」
と、くしゃみをすると、
　「ゴンゴン、ガラガラ、ゴゴゴーン」
山がゆれ、なだれがおきて、山がくずれてしまいます。

　「ふーむ、なるほど、これでわかった。人間たちのせいで、天気
　がおかしいのだな。では、おしおきをせねばならないな。でも、こ
　の天気では、動物たちもこまるが、人間たちもこまっているだろう」
山の神は、うなずきながらこたえました。
　「はい、そうです。人間たちは（たいへんだ！大風だ。大雨だ。
　山くずれだ）と、大さわぎをしています。でも、やっと、人間たちは、
　わるいことをしたと、気づいようで、海に、あまり汚れた水をながさ
　なくなり、けむりもあまり出さなくなりました。山には、少しずつ木を
　うえているようです」
　「わしは、人間たちに、おしおきをしなければいけない、と思って
　いたが、まちがいに気づいているなら、こんどは、ゆるすことにしよ
　う。だがな、また、人間たちが、このような、わがままなことをしたら、
　すぐ、わしに、言うのだぞ」
そう言うと、天の神様は、宇宙にかえっていきました。

人間たちは、たすかりました.。でも、天の神様への手紙は、森の
ウサギさんも、海のクジラさんも、ジャングルのライオンさんも、みん
な、よういしているので、人間たちは、気をつけなければ、いつ、おし
おきをうけるかわかりません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おわり

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